今回の記事では、ポルトガルリーグの3大クラブと呼ばれるベンフィカ、FCポルト、スポルティングCPが、リーグでどれだけ圧倒的な強さを誇るのかを見てみたいと思います。



順位推移portugal_top3rank
※赤:ベンフィカ、青:ポルト、緑:スポルティング

まずは、ポルトガルリーグがスタートした1934-1935シーズンから2018-2019シーズンまでの間の3クラブの順位の推移を表にしてみました。

3クラブとも2部に降格したことがないだけでなく、なんと2ケタ順位すら一度もありません。最低順位はベンフィカは6位(2000-2001)、スポルティングCP7位(2012-2013)、FCポルトは9位(1969-1970)です。

そして、ほとんどのシーズンで3クラブが13位を独占しています。

なんと、3クラブ以外がリーグ優勝したのは、1945-1946シーズンのベレネンセスと2000-2001シーズンのボアビスタの2回しかありません!!

全世界のリーグでも、ここまで優勝クラブが寡占的な国はないのではないでしょうか。

ちなみに、ベレネンセスはリスボン、ボアビスタはポルトが本拠地のクラブなので、リスボンとポルト以外のクラブがリーグ優勝したことは一度もないことになります。


3クラブの黄金期も見てみたいと思います。

まず、スポルティングCP1946-1953の期間が最盛期と言えそうです。

ベンフィカは3クラブの中でも最も安定的に強いですが、とりわけ1959-1976は圧倒的。黒豹または黒い真珠と呼ばれたポルトガル代表ストライカーのエウゼビオ(Eusébio da Silva Ferreira)が在籍した1960年~1975年と、ベンフィカの黄金期はほぼ重なります。在籍中にポルトガルリーグ得点王に7回も輝くという、まさに驚異的な活躍でした。

ポルトは1984-2012、中でも1990年代後半から2010年代序盤に優勝が多いため、3クラブの中では「徐々に力をつけてきたクラブ」と言えそうです。


優勝回数推移
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続いて、1位獲得数推移をグラフにしてみました。

こちらを見ても、ベンフィカが安定的に強いこと、ポルトが1980年代からじわじわと優勝回数を伸ばしていることがわかります。


※過去のポルトガル関連記事をまとめたアーカイブページも、よろしければご覧ください。


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今回の記事では、ポルトガル・リスボンの人気エリアであるベレン地区を観光したついでに、ベレネンセスのホームスタジアムである「レステーロ競技場」を観に行ったときのことを書きたいと思います。


<概要>

ベレネンセス(Os Belenenses)

設立:1919923

ホームタウン:リスボン・ベレン地区

ホームスタジアム:

エスタディオ・ナシオナル・リスボン

エスタディオ・ド・レステロ(Estádiodo Restelo)

1956923日開場、19856人収容。

チームカラー:


リスボン市のベレン地区は、ジェロニモス修道院、ベレンの塔、発見のモニュメントなどがあるベイエリアで、リスボン市街からバスで30分で行ける人気の観光地です。


私は現地の人に教えてもらうまで知らなかったのですが、トラムバスを降りて、大半の観光客が観光地に向かう中、観光客に群れることなく緩やかな坂を登ると、ジェロニモス修道院のすぐ裏手にスタジアムがあります。

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(ジェロニモス修道院の脇の通りを歩いて行くとあります)


ここは、ベレネンセスという古豪クラブのホームスタジアムです。

(現在は改修中のようで、19-20シーズンのホームゲームはエスタディオ・ナシオナル・リスボンで行われます)

近年は中位をふらふらしていて、何度か2部にも降格していますが、リーグ創設以来の大半を1部リーグで過ごしており、1945-1946シーズンには優勝したこともあります。

優勝は1回だけですが、ベンフィカ、ポルト、スポルティングCP3クラブ以外でポルトガルリーグを制したことがあるのは、ベレネンセスとボアビスタFC2クラブのみなので、リーグ優勝経験のあるレアなクラブと言えます。


スタジアムはそれほど大きくはなく、設備が充実しているわけでもなく、陸上トラックがあるため、日本の陸上競技場の風情があります。一方、スタジアムからベレンの海やジェロニモス修道院も観れるため、非常に贅沢なスタジアムでもあります。

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また、トレーニングコートが併設されていて、ユースチームが練習していました。
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リスボンに旅行に行く方は、ベレンは外せない観光スポットですので、試合があるときにはそのついでに観戦というのもアリだと思います。

今回は、スポルティングCP(Sporting Clube de Portugal)のスタジアムツアー体験について書きたいと思います。


<概要>

スポルティングCP(Sporting Clube de Portugal)

設立:190671

ホームタウン:リスボン

ホームスタジアム:エスタディオ・ジョゼ・アルヴァラーデ(Estádio José Alvalade)

200386日開場、50044人収容。

チームカラー:緑、白


ベンフィカ、ポルトとともに、ポルトガル国内リーグの3大クラブの1つです。

リーグ優勝回数は3クラブの中で最も少ないですが、フィーゴ、クリスティアーノ・ロナウドなど、世界に名だたるプレイヤーを多く輩出しています。

田中順也選手も過去に所属していましたね。

「スポルティングリスボン」かと思っていましたが、正しくは「スポルティングクラブオブポルトガル」、すなわち「スポルティングCP」なのだそうです。

緑と白のストライプ、ヨーロッパ内での位置付けから、スコットランドの強豪クラブ、セルティックと混同しそうになります。


ホームゲームは日程が合わなかったのですが、リスボン滞在中にスタジアムツアーに参加してきました。


<まずはカンポ・グランデ駅へ>

スタジアムはメトロのカンポ・グランデ駅(Campo Grande)が最寄りです。

リスボン市街の中心部からは、バイシャシアード駅(Baixa-Chiado)やロシオ駅(Rossio)があるグリーンラインから乗り換えなしで20分程度。

駅を降りればスタジアムがすぐ見えます。

ゲートによっては徒歩10分程度かかりますが、スタジアム自体は徒歩23分で着きます。

スタジアム内には、スーパーや映画館が入っています。

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<スタジアムツアーの概要>

11:3014:3015:3016:304回。

月曜はお休み。みホームゲームの日は11:30のみ、ヨーロピアンホームゲーム(CLなどの日?)はツアーは行わず、前日も11:30のみだそうです。詳しくはホームページで確認することをオススメします。

金額は大人14ユーロ、子供7ユーロ。14ユーロは約1800円なので、ソシオ会員じゃないとそれなりに高いです。

(すみだ水族館が2050円。上野動物園は600円。高いと感じるか安いと感じるかは個人差がありますかね)


<スタジアムツアーに参加>

受付でスタジアムツアーに参加したい旨を伝え、支払いをして、開始まで待ちます。直前の申込でも全然大丈夫でした。

ガイドはポルトガル語と英語の人がいるので、英語のガイドの人に付いて行きました。私のときは、だいたい20人ぐらいが半々に分かれました。

ツアーは約1時間。ロッカールーム、観客席、ピッチサイド、プレスルーム、VIPの観戦スペースなどを周り、各所で説明を受けた後は自由に写真撮影や見学をします。

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地下のミュージアムゾーンに移動してからは完全フリーで、どれだけじっくり見ても、すぐに帰ってもOKです。

ミュージアムの展示物はサッカー以外の競技もあり、改めて総合スポーツクラブであることを実感します。どのスポーツもユニフォームは共通して白と緑のストライプです。選手や記録な詳細が紹介されているというよりは、トロフィーがずらーっと並んでいて目で楽しむ感じです。

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金額はちょい高めですが、スタジアムや博物館好きな人は一見の価値ありです!

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