2020年01月

前回の記事で、CONMEBOL(南米サッカー連盟)が発表したクラブランキングの概要と、ランキングの上位20クラブを見てみました。

今回は、ランキングデータを加工して各国の位置付けを見てみたいと思います。


<南米における各国の勢力関係>

まずは、140位、4180位、81120位、120位以降の4ゾーンに分割し、各ゾーンにおける各国のクラブ数を見てみました。

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140位は、ブラジルとアルゼンチンが9クラブずつランクインし、全体の約半分を占めます。次に多くのクラブがランクインしているのは、5クラブのパラグアイです。

4180位は、メキシコの7クラブが最多で、コロンビアの6クラブ、アルゼンチンの5クラブと続きます。

81-120位は、ベネズエラが11クラブと群を抜いて多く、次点のチリとメキシコの5クラブを大きく引き離しています。

120位以降は、ブラジルが8クラブ、ベネズエラが7クラブ、エクアドルが6クラブとなりました。


ゾーン別のクラブ数を、国別にも見てみました。

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続いて、国別にランクインしたクラブ数と平均順位を算出し、プロットしてみました。

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・ブラジル、アルゼンチンは、ランクインしたクラブ数が多く平均順位も良いため、クラブチームにおいても圧倒的な実績を誇ることがわかります。

・コロンビアはランクインしたクラブ数は少ないものの、平均順位が比較的良いため、左下に位置しています。ボリビアも同傾向にあります。

・パラグアイ、ウルグアイはクラブ数は少なめで、平均順位もそこまでは良くないため、左上に位置しています。

・ペルー、エクアドル、チリは、平均順位はそこまで良くない一方、多くのクラブがランクインしています。

・ベネズエラは、81位以降に多くのクラブがランクインしているため、右上に位置します。


最後に、ランクインしたクラブのポイント数を合計して、国別にランキング化してみました。

rankポイント
1Argentina37052
2Brasil36513
3Colombia13538
4Paraguay12344
5Uruguay11930
6Ecuador9840
7Chile9803
8Bolivia7380
9Mexico6683
10Peru5910
11Venezuela4600

アルゼンチンとブラジルが他を大きく引き離していて、コロンビアとパラグアイとウルグアイが第2集団になります。エクアドルとチリは僅差で並び、ボリビア、メキシコ、ペルー、ベネズエラと続きます。

南米のサッカークラブの勢力関係を考えるときなど、参考にしてください!

過去の記事で、過去10年間のUEFAカントリーランキングの推移や、2019-2020シーズンのUEFAカントリーランキング、UEFAクラブランキングを見てきました。

ヨーロッパのサッカークラブは、世界的スターや日本人選手が多く所属しているのでメディアで目にする機会が多いですが、南米のクラブはあまりよくわからないので、CONMEBOL(南米サッカー連盟)が発表したクラブランキングを参考にして、各国の位置付けを見てみたいと思います。


<CONMEBOLのクラブランキングとは>

まずは、CONMEBOLという団体について調べました。南米における各国の協会を統括する、FIFA傘下のサッカーの大陸の連盟とのことです。ヨーロッパにおけるUEFA、アジアにおけるAFCと考えれば良さそうです。


次に、このクラブランキングがどういうものなのか確認してみましょう。

・コパ・リベルタドーレスに出場したことのある歴代クラブチームの最新ランキング。

・下記の3点をポイント化して集計したもので、優秀な成績を残してきたクラブチームが上位を占めている。

1 過去10年におけるコパ・リベルタドーレスでの成績

2 1960年から2008年までのコパ・リベルタドーレスの成績

3 過去10年における国内トーナメントでの優勝


コパ・リベルタドーレスの過去の戦績と、国内リーグの直近の優勝が加味されたランキング、ということですね。そしてコパ・リベルタドーレスは直近の成績が良いほどポイントが高いということですね。

ちなみにコパ・リベルタドーレスとは、南米大陸のクラブ王者を決める大陸選手権大会(カップ戦)です。19982016年はCONCACAFに加盟するメキシコリーグのクラブも出場していました。


<CONMEBOL 南米クラブランキング>

では、2019年版のリベルタドーレスランキングの上位20クラブを見てみましょう。本記事では上位20クラブのみ紹介しますが、詳細はCONMEBOLのホームページから見ることができます。

http://www.conmebol.com/es/ranking-conmebol-libertadores2019


rankクラブ名total
1リバー・プレートArgentina8043
2ボカ・ジュニアーズArgentina7117
3グレミオBrasil6112
4アトレティコ・ナシオナルColombia4856
5ナシオナルUruguay4520
6ペニャロールUruguay4504
7パルメイラスBrasil3716
8サントスBrasil3504
9クルゼイロBrasil3503
10アトレティコ・ミネイロBrasil3416
11コリンチャンスBrasil3373
12オリンピアParaguay3324
13サン・パウロBrasil3224
14セロ・ポルテーニョParaguay3061
15サン・ロレンソArgentina3055
16エメレックEcuador2800
17エストゥディアンテスArgentina2709
18インディペンディエンテArgentina2670
19コロ・コロChile2638
20サンタ・フェColombia2607


アルゼンチンのリバープレート、ボカ・ジュニアーズがワンツーフィニッシュ。ブラジルもトップ105クラブがランクインするなど存在感を示しています。

ボリビアは21位のボリーバル、ペルーは34位スポルティング ・クリスタル、メキシコは36位のティグレス、ベネズエラは48位のタチラ(Tachira)が最上位でした。


次の記事では、グラフなどを見ながら、南米内の勢力関係をもう少し掘り下げてみます。

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