2020年08月

日本人選手が移籍することが多いリーグ。でもクラブはほぼ知らない。これが多くの日本人にとってのベルギーリーグの印象ではないでしょうか。とはいえ、私たちのベルギーリーグに対する関心度は急激に高まっています。

ただ、ヨーロッパではベルギーリーグのレベル感はどんなものなのでしょうか。UEFAカントリーランキング・クラブランキングを見てみたいと思います。


まずは、20002019年の UEFAカントリーランキングにおける順位を見てみます。

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10〜15位あたりをうろうろしていますが、ここ数年で徐々にランクアップし、2014年以降はトップ10圏内をキープしています。2019年には、直近20年で最高位となる8位にまで順位を上げています。


続いて、2019-2020年のUEFAカントリーランキング上位20カ国のポイントと、UEFAクラブランキング上位100位以内にランクインしたクラブ数を見てみます。 

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トップ100にランクインしているのは、

KAAゲント(38)、アンデルレヒト(40)KRC ゲンク(53)、ブリュージュ(57)、スタンダードリエージュ(73)5クラブです。

CL本戦のグループリーグやELで見かけることはありますが、思ったよりもポイントを稼いでるんですね。

直近の国際大会の成績が順位を左右していますが、アンデルレヒト 、ブリュージュ、スタンダードリエージュが国内3強と呼ばれています。KRCゲンクは2000年前後から強豪の仲間入りを始めた新興勢力、KAAゲントは3強に次ぐクラブというところだと思います。


最近では、ベルギーリーグというと「日本人選手が多くプレーするリーグ」という印象があります。

もともとは2000年にジュビロ磐田時代に攻撃的サイドバックとして名を馳せた遠藤雅大がKVメヘレンでプレーしたのを皮切りに、2002年には日韓ワールドカップで活躍した鈴木隆行、2010年以降は川島永嗣、小野裕二、永井謙佑といった日本トップクラスの選手たちがプレーしました。

2017年にはDMMグループがシント=トロイデンVVの経営権を取得したことにより、冨安健洋、遠藤航、鎌田大地、関根貴大、シュミット・ダニエルら多くの選手が入れ替わり立ち替わり所属するようになりました。

冨安健洋はイタリア・セリエAのボローニャ、鎌田大地はドイツ・ブンデスリーガのフランクフルト、遠藤航はシュツットガルトに移籍するなど、日本人が出場機会を得て、活躍して、ヨーロッパのより高いレベルのリーグでプレーしているところを見ると、ヨーロッパ挑戦のファーストステップとして良い位置付けのリーグと言えそうです。

「オランダのサッカーリーグって、前より存在感が、薄くなっているのではないか?」

小野伸二選手がフェイエノールトで活躍していた時代を知る人の中には、そう感じている人もいるのではないでしょうか。

今回は、UEFAカントリーランキング、クラブランキングを参考に、UEFA内におけるオランダのクラブチームの位置付けの変化を探ってみたいと思います。


まずは、UEFAカントリーランキングにおける順位を見てみましょう。


20002019年の20年のスパンで見ると、徐々に下降線を辿っています。

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5大リーグのすぐ下」というポジションだったのが、少し脱落しつつある印象です。


ヨーロッパの各国リーグの開幕時期に合わせて、日本で発売される選手名鑑では、2000年代前半はオランダリーグは1部全クラブが紹介されることが多かったのですが、最近はCLEL出場国と日本人所属クラブのみの紹介にとどまることも多い気がします。


続いて、2019-2020年のUEFAカントリーランキング上位20カ国のポイントと、UEFAクラブランキング上位100位以内にランクインしたクラブ数を見てみます。 

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オランダは、100位以内に4クラブがランクインしています。

アヤックスが21位、PSVアイントホーフェンが39位、AZ84位、フェイエノールトが90位。ちなみに、PSVには堂安律選手、AZには菅原由勢選手が所属しています。

オランダと言うとアヤックス、PSV、フェイエノールトの3強のイメージがありますが、3クラブの実績には差があります。アヤックスが頭一つ抜けていて、PSVが独走を許さじと追従し、少し差が開きつつもフェイエノールトもなんとか喰らいつく、といったところでしょうか。

他国ではバックアップにより財政基盤が数段レベルアップしたクラブもある中、オランダの有力クラブではそういったことはあまりないと思います。それにより、5大リーグとの差は開き、その他の国との差も以前より生み出しにくくなっているのかな、と思います。

2018年のロシアワールドカップで準優勝したクロアチア。赤と白のチェック柄のユニフォームが思い浮かぶ方が多いと思いますが、クロアチアのクラブチームについて知っている人は少ないのではないでしょうか。

観光地としても人気の国なので、ザグレブ、ドゥブロヴニク、プリトヴィツェ湖群国立公園(リカ=セニ郡、カルロヴァツ郡)など、観光ついでにサッカー観戦というのもいいかもしれません。


中央クロアチア

ザグレブ郡

郡都:ザグレブ

NKディナモ・ザグレブ

NKロコモティヴァ・ザグレブ

HNKゴリツァ

NKインテル・ザプレシッチ

NKディナモ・ザグレブⅡ 

NKドゥブラヴァ・ザグレブ 

NKフルヴァツキ・ドラゴヴォリャツ  

NKクストシヤ・ザグレブ 

NKルデシュ 

NKセスヴェテ 


クラピナ=ザゴリエ郡

郡都:クラピナ


シサク=モスラヴィナ郡

郡都:シサク


カルロヴァツ郡

郡都:カルロヴァツ


ヴァラジュディン郡

郡都:ヴァラジュディン

NKヴァラジュディン


コプリヴニツァ=クリジェヴツィ郡

郡都:コプリヴニツァ

NKスラヴェン・ベルポ


ビェロヴァル=ビロゴラ郡

郡都:ビェロヴァル


メジムリェ郡

郡都:チャコヴェツ

NKメジムリェ・チャコヴェツ 


イストリア地方

(クヴァルネル地方)

プリモリェ=ゴルスキ・コタル郡

郡都:リエカ

HNKリエカ

HNKオリイェント1919 


(リカ地方)

リカ=セニ郡

郡都:ゴスピッツ


イストラ郡

郡都:パジン

NKイストラ1961


スラヴォニア地方

ヴィロヴィティツァ=ポドラヴィナ郡

郡都:ヴィロヴィティツァ


ポジェガ=スラヴォニア郡

郡都:ポジェガ


ブロド=ポサヴィナ郡

郡都:スラヴォンスキ・ブロド


オシエク=バラニャ郡

郡都:オシエク

NKオシエク

NKオシエクⅡ 

NK BSKビイェロ・ブルド 


ヴコヴァル=スリイェム郡

郡都:ヴコヴァル

HNKツィバリア・ヴィンコヴツィ 


ダルマチア地方

ザダル郡

郡都:ザダル


シベニク=クニン郡

郡都:シベニク

HNKシベニク 


スプリト=ダルマチア郡

郡都:スプリト

HNKハイドゥク・スプリト

NKクロアチア・ズミヤヴツィ

ハイドゥク・スプリトⅡ 

NKドゥゴポリェ 

NKソリン 


ドゥブロヴニク=ネレトヴァ郡

郡都:ドゥブロヴニク


2019-2020シーズンの2部リーグ在籍クラブ

2010年〜2019年のUEFAカントリーランキング推移 や、2019-2020シーズンのUEFAカントリーランキング、クラブランキングなどの記事で、UEFAカントリーランキングの推移を見てきました。

今回は、さらに遡って2000年〜2009年の10年間におけるUEFAカントリーランキングの推移も見てみました。


UEFAカントリーランキングの概要は前記の2010年〜2019年のUEFAカントリーランキング推移 をご覧ください。

また今回のランキング作成にあたっては、下記のページを参照しています。


<上位20か国のランキング>

ひとまず一覧化してみました。

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<5大リーグの推移>

一覧だと傾向が見えづらいので、ある程度絞ってグラフにしてみようと思います。

まずはスペイン・イングランド・ドイツ・イタリア・フランスの5大リーグから。

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5大リーグは、6位以下に転落することなく5位以内をキープしています。

この5か国の序列としては、スペインが20002007年まで1位、2008年と2009年が2位と安定的に上位。イタリアも20002003年など序盤を中心に2位。イングランドは2000年の5位からジリジリ順位を上げ、20082009年で1位を獲得。ドイツは45位が多く、フランスを下回る年が多くありました。


<トップ10圏内の国々の推移>

続いて、5大リーグに次ぐ「第二集団」を見てみましょう。

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こちらはポルトガル、オランダ、ロシア、ギリシャ、トルコの5か国。トップ10にランクインした回数が多い国々ですが、5大リーグよりも変動が激しいです。

ポルトガルは安定的に10位以内に入っており、同じく5大リーグに次ぐ位置付けは今とあまり変わっていません。

オランダは20172019年は10位圏外なってしまうのですが、2000年代は10位以内を維持しています。2000年・2001年は6位で、私がパッとイメージするのもこのあたりでした。

ロシアは一時期の低迷を乗り越えています。

一方でチェコ、ギリシャは右肩下がりの10年間となっています。


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続いては、ウクライナ、ルーマニア、ベルギー、トルコ、スコットランドの5か国。いずれもトップ10圏内にランクインしたことがある国々です。

ウクライナはシャフタール・ドネツクのCLELでの活躍、ルーマニアはステアウア・ブカレストのELでの活躍などにより、2000年代途中からトップ10圏内に浮上しています。

トルコ、スコットランド、ベルギーはトップ10周辺で前後しています。


2000年〜2009年の10年間と、2010年〜2019年の10年間では、根底を揺るがすような序列の変化はないものの、よく見ると小さい変化は各所で起こっていました。2020年からの10年間はどんな変化が起こるのか、注目ですね。

8/12()に、フクアリで開催されたジェフユナイテッド市原・千葉-松本山雅FCの試合を観戦しました。


現在、Jリーグでは、新型コロナウィルスの感染対策のために定められたガイドラインに従い運営されています。

観客数が制限され、座席は間隔をあけて割り振られています。マスク着用、検温、消毒が求められ、また飛まつや接触による感染を防ぐため、試合中の応援、大声を出すこと、ハイタッチ、タオルや旗を振り回すことなどが禁止されています。


そのような中で試合観戦したのは初めてでしたが、個人的には久々の試合観戦を楽しむことができました。運営の方々に感謝です。

新しい観戦スタイルによるメリットとしては、

・試合中の声が聞こえてくるのが面白い

・試合に集中しやすい

1人でも行きやすい

・トイレや売店が混まない

(売店は数やメニューに制限があります)

といった点が挙げられると思います。


駒沢オリンピック公園陸上競技場の真夏のデーゲームなど、周りに観客がいない試合観戦の経験はそれなりにあったのですが、サポーターの応援がないというのは、それとはまた全然違う雰囲気でした。試合中の選手の声が本当によく聞こえます。

ジェフのGK新井章太選手やCBの増嶋竜也選手の声が目立っていたのを見ると、声で味方を鼓舞したり安心感を与えられるベテラン選手の存在は重要だと思いました。


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試合は3-0と、ジェフが勝利しました。

佐藤寿人選手が先制点、増嶋竜也選手が2点目、3点目を挙げ、30代の経験豊富な選手が目に見える結果を残しました。ベテランの選手に限らず、ジェフの選手は全体的に良かったと思います。

一方の松本山雅FC4連敗中ということもあってか、全体的にあまり噛み合っていない印象でした。イージーミスも散見されて、今は我慢の時なのかなと。。


今シーズンから就任したヨン・ジョンファン監督のサッカーは、わかりやすい。リトリートによる堅守速攻は、先制すると威力抜群ですね。

シンプルに前線にロングボールを放り込む場面が多かった中、FWの櫻川ソロモン選手は存在感がありました。190cm86kgという恵まれた体格で、空中戦に強く、ポストプレーヤーとしてしっかり機能していました。

今年84日に19歳になったばかりの新人選手ですので、洗練されていけば、将来が楽しみです!

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