これまで、「世界のクラブランキング(Global Club Soccer Rankings)を詳しく見てみた!〜各国リーグ傾向編〜」、「世界のクラブランキング(Global Club Soccer Rankings)を詳しく見てみた!〜各国リーグ攻守ポイント編〜」では、

アメリカの統計サイト「538(ファイブサーティエイト)」による世界のクラブランキング(Global Club Soccer Rankings)のデータを使い、国(リーグ)ごとの傾向を見てみました。

今回の記事では、このランキングの本来の見方である、クラブチームごとの順位を掘り下げてみようと思います。

(図表はクリップ・タップすると拡大できます)


 本記事も、538のサイトから2020/8/30時点のデータをダウンロードし、使用しています。

(https://fivethirtyeight.com/methodology/how-our-club-soccer-predictions-work/)


<ランキングトップ20>

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<ランキングトップ20クラブのSPI>

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上位20クラブの、SPI(独自指標のSoccer Power Index)のスコアを見てました。

1位のマンチェスター・シティと2位のバイエルン・ミュンヘンは僅差なのがわかります。


<オフェンス評価トップ20>

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538(ファイブサーティエイト)のホームページによると、オフェンス評価は「中立地で平均的なチームと対戦した際に予想される得点数」ということになります。

その前提でこのグラフを見ると、オフェンス評価が3.0以上のバイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティ、パリ・サンジェルマン、ザルツブルクのオフェンスはかなり高評価なのがわかります。ザルツブルクがバルセロナ、レアル・マドリード、リバプールあたりより上なのは意外ですね。

アヤックス、ホッフェンハイム、ボルシアMG、ローマは、SPIのランキングトップ20位には入っていませんが、オフェンス評価は20位以内にランクインしています。


<ディフェンス評価トップ20>

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ディフェンス評価は「中立地で平均的なチームと対戦した際に予想される失点数」ということになりますが、ディフェンス評価のトップ20ともなると、失点数が1.0を下回ります。特にトップのマンチェスター・シティは驚異の0.2です。めったに失点しません。

SPIのランキング20位圏外からは、ヘタフェ、レガネス、レアル・ソシエダ、グラナダといったスペインの中堅クラブとナポリがディフェンス評価の20位以内に入ります。


<オフェンス評価とディフェンス評価の散布図>

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最後に、SPIのトップ20クラブを対象に、オフェンス評価を横軸、ディフェンス評価を縦軸とした散布図にしてみました。

マンチェスター・シティとバイエルン・ミュンヘンは攻守ともに2位以内で、別格の強さとなります。

ザルツブルクはオフェンス評価が良い一方、ディフェンス評価はこの中では飛び抜けて悪く、特徴的なポジショニングとなっています。

対照的に、アトレティコ・マドリード、ウォルバーハンプトン(ウルブズ)は、この中ではオフェンス評価は低いものの、ディフェンス評価が良く、堅守がウリなのが反映されています。


世界のトップクラスのクラブの特徴が改めて見える化された気がしますが、いかがでしょうか。

次の記事では、Jリーグクラブにフォーカスして、傾向を見たいと思います。