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これまで、アメリカの統計サイト「538(ファイブサーティエイト)」による、世界のクラブランキング(Global Club Soccer Rankings)のデータを用いて、国別の傾向を見たり、世界トップのクラブチームの傾向を見てきました。

今回の記事では、日本のJリーグクラブにフォーカスして、スコアを見てみようと思います。

(図表はクリップ・タップすると拡大できます)


 本記事も、538のサイトから2020/8/30時点のデータをダウンロードし、使用しています。

(https://fivethirtyeight.com/methodology/how-our-club-soccer-predictions-work/)


<ランキング>

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107位の川崎フロンターレから574位の横浜FCまで、2020年シーズンのJ1在籍18クラブが入っています。300位台と500位台がボリュームゾーンです。


<SPI>

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SPI(独自指標のSoccer Power Index)のスコアを上位から並べてみました。川崎フロンターレが頭一つ抜けてます。


<オフェンス評価とディフェンス評価の散布図>

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オフェンス評価を横軸、ディフェンス評価を縦軸とした散布図にしてみました。この評価は「中立地で平均的なチームと対戦した際に予想される得点数・失点数」のようです。

まず、川崎フロンターレ、横浜Fマリノスの2クラブ以外は、攻撃スコアが守備スコアを下回ります。(世界の壁は高い…)

Jリーグのクラブの中では、川崎フロンターレが攻守ともに抜けた存在となっています。

横浜Fマリノスとヴィッセル神戸のオフェンス評価が高く、セレッソ大阪とサンフレッチェ広島のディフェンス評価が高く、FC東京と鹿島アントラーズは攻守バランスともに高め、という結果は、納得感があります。

サガン鳥栖、大分トリニータ、横浜FC、湘南ベルマーレ、ベガルタ仙台は、オフェンス評価が1.0を下回り、ちょい厳しめな評価となっています。


「中立地」で「平均的なチーム」と対戦した場合の予想値ということで、わかるようなわからないような評価ではあるのですが、リーグやクラブチームの現在地を知る一つの参考材料にはなりそうです。

これまで、「世界のクラブランキング(Global Club Soccer Rankings)を詳しく見てみた!〜各国リーグ傾向編〜」、「世界のクラブランキング(Global Club Soccer Rankings)を詳しく見てみた!〜各国リーグ攻守ポイント編〜」では、

アメリカの統計サイト「538(ファイブサーティエイト)」による世界のクラブランキング(Global Club Soccer Rankings)のデータを使い、国(リーグ)ごとの傾向を見てみました。

今回の記事では、このランキングの本来の見方である、クラブチームごとの順位を掘り下げてみようと思います。

(図表はクリップ・タップすると拡大できます)


 本記事も、538のサイトから2020/8/30時点のデータをダウンロードし、使用しています。

(https://fivethirtyeight.com/methodology/how-our-club-soccer-predictions-work/)


<ランキングトップ20>

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<ランキングトップ20クラブのSPI>

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上位20クラブの、SPI(独自指標のSoccer Power Index)のスコアを見てました。

1位のマンチェスター・シティと2位のバイエルン・ミュンヘンは僅差なのがわかります。


<オフェンス評価トップ20>

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538(ファイブサーティエイト)のホームページによると、オフェンス評価は「中立地で平均的なチームと対戦した際に予想される得点数」ということになります。

その前提でこのグラフを見ると、オフェンス評価が3.0以上のバイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティ、パリ・サンジェルマン、ザルツブルクのオフェンスはかなり高評価なのがわかります。ザルツブルクがバルセロナ、レアル・マドリード、リバプールあたりより上なのは意外ですね。

アヤックス、ホッフェンハイム、ボルシアMG、ローマは、SPIのランキングトップ20位には入っていませんが、オフェンス評価は20位以内にランクインしています。


<ディフェンス評価トップ20>

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ディフェンス評価は「中立地で平均的なチームと対戦した際に予想される失点数」ということになりますが、ディフェンス評価のトップ20ともなると、失点数が1.0を下回ります。特にトップのマンチェスター・シティは驚異の0.2です。めったに失点しません。

SPIのランキング20位圏外からは、ヘタフェ、レガネス、レアル・ソシエダ、グラナダといったスペインの中堅クラブとナポリがディフェンス評価の20位以内に入ります。


<オフェンス評価とディフェンス評価の散布図>

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最後に、SPIのトップ20クラブを対象に、オフェンス評価を横軸、ディフェンス評価を縦軸とした散布図にしてみました。

マンチェスター・シティとバイエルン・ミュンヘンは攻守ともに2位以内で、別格の強さとなります。

ザルツブルクはオフェンス評価が良い一方、ディフェンス評価はこの中では飛び抜けて悪く、特徴的なポジショニングとなっています。

対照的に、アトレティコ・マドリード、ウォルバーハンプトン(ウルブズ)は、この中ではオフェンス評価は低いものの、ディフェンス評価が良く、堅守がウリなのが反映されています。


世界のトップクラスのクラブの特徴が改めて見える化された気がしますが、いかがでしょうか。

次の記事では、Jリーグクラブにフォーカスして、傾向を見たいと思います。

世界のクラブランキング(Global Club Soccer Rankings)を詳しく見てみた!〜各国リーグ傾向編〜

では、アメリカの統計サイト「538(ファイブサーティエイト)」による世界のクラブランキング(Global Club Soccer Rankings)のデータを使い、ランキングの対象となっている国(リーグ)や、国ごとの平均順位や最高順位を見てみました。

今回の記事では、ランキングに使用された独自指標のSPISoccer Power Index)や攻撃・守備指標について見てみようと思います。


<SPI>

世界ランキング_攻撃値

SPIの平均にすると、ドイツ、イングランド、スペイン、イタリア、フランスという序列になります。次に来るのがブラジルではなく、スイス、オーストリア、オランダという国々になります。


<攻撃・守備>

世界ランキング_国別SPI

攻撃スコアの高い順から並べてみました。

イングランド、スペイン、ドイツがトップ3です。

世界ランキング_守備値

続いて守備スコアを並べてみました。

こちらもイングランド、スペイン、ドイツがトップ3です。

世界ランキング_攻守プロット
最後に、横軸に攻撃値、縦軸に守備値の散布図にしてみました。右下の黒い点は、イングランド・スペイン・ドイツ・イタリア・フランスの5大リーグ、真ん中あたりの赤い点はJリーグです。

Jリーグは傾向線よりも少し上にいるので、中立地で平均的なチームと対戦した際に予想される得点数/失点数としては、やや失点多めの予測になるということなのかなと思います。

8月に、アメリカの統計サイト「538(ファイブサーティエイト)」による世界のクラブランキング(Global Club Soccer Rankings)が取り上げられました。


このクラブランキングは、SPISoccer Power Index)という指標により格付されたものらしく、

SPIとは、

538が、アメリカメディア『ESPN』と共同で発明した独自指標

・試合ごとの出場選手やロケーションだけではなく、1888年まで遡る各クラブのデータや過去の55万以上の試合結果などの分析

・単なる勝敗だけではなく、得失点、タイトル、順位などが要素に含まれている。さらに、保有選手の市場価値なども加味して評価される

ものだそうです。

採用試験で受ける適性検査ではありません。


そして、このSPIを用いて、

・各試合のスコア予想や、各クラブのオフェンス評価/ディフェンス評価の格付けを行なっている

・オフェンス評価/ディフェンス評価は、「中立地で平均的なチームと対戦した際に予想される得点数/失点数」の数値を用いている

とのことです。


こちらの記事をご覧いただくと、概要が理解できそうです。

・世界最強クラブはマンC!データサイエンティストが独自の指標を用いて攻守を評価(サッカーキング編集部)

https://www.soccer-king.jp/news/world/eng/20190716/957959.html

・「世界629クラブ」を海外メディアがランキング 注目の“TOP10”Jリーグ勢の最上位は?(football ZONE)

https://www.football-zone.net/archives/279626/3

・ポアソン分布でサッカーの得点数まで予想する – サッカーパワーインデックス(SPI)とは?

https://gri.jp/report/data-science/6821


詳細は538のサイトに英語で記載されています。

(https://fivethirtyeight.com/methodology/how-our-club-soccer-predictions-work/)


このサイトからは最新のデータをダウンロードできるようになっており、8/30時点のデータをダウンロードして、このランキングについて少し詳しく見てみたいと思います。


<大陸(連盟)・国別クラブ数>

世界ランキング_国別クラブ数


ヨーロッパ主要国が概ね入っていて、最上位リーグ以外も対象となっています。リーグ全クラブではなく個別のクラブが入っていることもあり、その場合は「UEFA champions〜」や「UEFA〜」と表記されていました。

南米はブラジルとアルゼンチンの2カ国。北中米はアメリカ、メキシコ。アジアは日本、中国、オーストラリアが対象で、韓国や中東は含まれていません。南米からは南アフリカが唯一の対象となっています。


<リーグ別の平均順位>

世界ランキング_平均順位



ヨーロッパの5大リーグブラジルロシア・ポルトガルなどのヨーロッパの準主要国、という序列になっています。Jリーグ18クラブの平均は391位で、メキシコ、アルゼンチン、中国、アメリカあたりよりも下となります。


<リーグの最高順位>

世界ランキング_最高順位


ヨーロッパのリーグが上位を独占しています。ヨーロッパ以外の最上位はブラジルのフラメンゴで52位。アジアの最上位は中国の広州恒大で95位でした。日本の最上位は川崎フロンターレの107位でした。


ニュース記事では「日本のクラブが◯◯位」と紹介されていますが、ヨーロッパ以外のリーグは入ったり入ってなかったりするという前提は、覚えておいて損はないと思います。


SPI値や攻撃・守備のスコアや、クラブ別のスコアについては、また別の記事で書こうと思います。

2010年〜2019年のUEFAカントリーランキング推移 や、2019-2020シーズンのUEFAカントリーランキング、クラブランキングなどの記事で、UEFAカントリーランキングの推移を見てきました。

今回は、さらに遡って2000年〜2009年の10年間におけるUEFAカントリーランキングの推移も見てみました。


UEFAカントリーランキングの概要は前記の2010年〜2019年のUEFAカントリーランキング推移 をご覧ください。

また今回のランキング作成にあたっては、下記のページを参照しています。


<上位20か国のランキング>

ひとまず一覧化してみました。

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<5大リーグの推移>

一覧だと傾向が見えづらいので、ある程度絞ってグラフにしてみようと思います。

まずはスペイン・イングランド・ドイツ・イタリア・フランスの5大リーグから。

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5大リーグは、6位以下に転落することなく5位以内をキープしています。

この5か国の序列としては、スペインが20002007年まで1位、2008年と2009年が2位と安定的に上位。イタリアも20002003年など序盤を中心に2位。イングランドは2000年の5位からジリジリ順位を上げ、20082009年で1位を獲得。ドイツは45位が多く、フランスを下回る年が多くありました。


<トップ10圏内の国々の推移>

続いて、5大リーグに次ぐ「第二集団」を見てみましょう。

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こちらはポルトガル、オランダ、ロシア、ギリシャ、トルコの5か国。トップ10にランクインした回数が多い国々ですが、5大リーグよりも変動が激しいです。

ポルトガルは安定的に10位以内に入っており、同じく5大リーグに次ぐ位置付けは今とあまり変わっていません。

オランダは20172019年は10位圏外なってしまうのですが、2000年代は10位以内を維持しています。2000年・2001年は6位で、私がパッとイメージするのもこのあたりでした。

ロシアは一時期の低迷を乗り越えています。

一方でチェコ、ギリシャは右肩下がりの10年間となっています。


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続いては、ウクライナ、ルーマニア、ベルギー、トルコ、スコットランドの5か国。いずれもトップ10圏内にランクインしたことがある国々です。

ウクライナはシャフタール・ドネツクのCLELでの活躍、ルーマニアはステアウア・ブカレストのELでの活躍などにより、2000年代途中からトップ10圏内に浮上しています。

トルコ、スコットランド、ベルギーはトップ10周辺で前後しています。


2000年〜2009年の10年間と、2010年〜2019年の10年間では、根底を揺るがすような序列の変化はないものの、よく見ると小さい変化は各所で起こっていました。2020年からの10年間はどんな変化が起こるのか、注目ですね。

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