カテゴリ: UEFAランキング2020-2021開幕版

以前、CL ELの決勝ラウンド進出クラブが出揃ったタイミングで、開幕時のUEFAランキングと比較しながら傾向を見てみました。

今回は、CL ELのベスト8時点での傾向を見てみたいと思います。


 CL ELの決勝ラウンド進出クラブが出揃ったタイミングでの記事は、こちらからご確認いただけます。


2020-21シーズン開幕時のUEFAランキング記事は、こちらからご確認いただけます。


<国別(協会別)CL決勝ラウンド進出クラブ数(ベスト8まで)>

IMG_3071

CLの決勝ラウンド進出クラブは、スペインとドイツが4クラブずつ、イングランドとイタリアが3クラブずつ、フランスとポルトガルが1クラブずつでしたが、ベスト8進出クラブはイングランドの3クラブが最多となりました。イタリアは3クラブとも敗退となりました。フランスのパリ・サンジェルマン、ポルトガルのFCポルトはともに勝ち残っています。


<国別(協会別EL決勝ラウンド進出クラブ数(ベスト8まで)>

IMG_3072

CLよりも満遍なく各国のクラブが決勝ラウンドに進出しているELですが、ベスト8に勝ち残るクラブは強豪国が中心となります。


<CL本戦、決勝ラウンド進出クラブの順位>

IMG_3069

CLのベスト8に残ったクラブは、なんと全クラブが開幕時点でUEFAクラブランキング25位以内でした。実績あるクラブが順当に勝ち残っているといえます。


<EL本戦、決勝ラウンド進出クラブの順位>

IMG_3070

ELベスト8のうち5クラブが、開幕時点でUEFAクラブランキング25位以内でした。ELも決勝ラウンドを勝ち抜くのはEU主催大会で実績ある強豪クラブといえます。クロアチアのディナモ・ザグレブ(49)、チェコのスラヴィア・プラハ(59)200位圏外だったグラナダ(スペインが準々決勝を勝ち残れるか注目です。

今までlifetravelfootballでは、UEFAカントリーランキングやクラブランキングなどのデータを見ながら、主にクラブチームのレベルを見てきました。今回は、ヨーロッパにおけるナショナルチームの強さと、その国のリーグの強さの関わりが気になったので、調べてみました。


ナショナルチームのFIFAランキングは、20201210日時点のランキングを使用しました。下記サイトのを使用しています。

https://fifaranking.net/ranking/


UEFAカントリーランキングは、UEFAの公式ホームページのデータを使用しています。2019-2020シーズンのチャンピオンズリーグ決勝が終わった、8/26更新のデータです。

https://www.uefa.com


2020-21シーズン開幕時点に傾向を調べた記事も、よろしければお読みください。


<ナショナルチームのFIFAランキングと、UEFAカントリーランキングのプロット>

さて、ここからが本題です。

縦軸にはナショナルチームのFIFAランキングを、ヨーロッパの国のみに絞って順位付したもの、横軸にはUEFAカントリーランキングを置き、プロットしてみました。

IMG_2981


左下は、ナショナルチーム、自国リーグともにレベルが高いゾーンです。スペイン、イングランド、ドイツ、イタリア、フランスなどはここに位置付けされます。

このゾーンだけで見ると、クロアチアやポーランドなどは、ナショナルチームのレベルは高いものの自国リーグのレベルは高くなく、有力な選手が他国の強豪リーグで活躍している状況がイメージされます。

一方でロシアは、自国リーグのレベルは高いもののナショナルチームのレベルはそこまでではなく、優秀な選手を自国リーグに招き入れている流れがイメージできます。


左上は、ナショナルチームのレベルは低く、自国リーグのレベルは高いというゾーンです。ここにポツンと位置するのは、APOELUEFA主催大会での奮闘が目立つキプロスです。

右下は、ナショナルチームのレベルは高く、自国リーグのレベルは低いゾーンです。このゾーンにはウェールズ、アイルランド、北アイルランドが位置付けされていて、優秀な選手はイングランドのプレミアリーグや下位リーグに挑戦していることが読み取れます。


※各国のFIFAランキング、UEFAカントリーランキング一覧

IMG_2982


2020-2021シーズン開幕時に、UEFAカントリーランキング、UEFAクラブランキングを掘り下げてみてみました。

CLELともに本戦のグループステージが終わり、決勝ラウンド進出クラブが出揃っていますので、開幕時のUEFAランキングと比較しながら、ここまでの傾向を見てみようと思います。


※2020-21シーズン開幕時のUEFAランキング記事は、こちらからご確認いただけます。


<国別(協会別)CL本戦出場クラブ数・決勝ラウンド進出クラブ数>

IMG_2807

CL本戦は、ヨーロッパ各国の中でも一部のトップリーグが多数を占める大会だということが、改めてわかります。

10位台の国でも本大会出場クラブ0が少なくない中で、33位のハンガリーのフェレンツヴァーロシュが本大会に出場したのは快挙と言っていいでしょう。ハンガリーのクラブがCL本大会に出場したのは1995-96シーズン以来、25年ぶりだそうです。


CLの決勝ラウンドに進出できるクラブは、スペイン、イングランド、ドイツ、イタリアの4カ国のリーグにほぼ絞られます。

上位4か国以外には5位・フランスのパリ・サンジェルマン、6位・ポルトガルのポルトのみなので、国レベルで見れば今シーズンは大きな番狂わせがない状況と言えるでしょう。


<国別(協会別EL本戦出場クラブ数・決勝ラウンド進出クラブ数>

IMG_2808


CLと比べると、ELはかなり満遍なく各国から参加していると言えます。42位のアイルランドからもダンドークが出場しています。

EL決算ラウンドは、CLのグループステージ3位のクラブが参加することもあり、UEFAランキング上位国のクラブが多いですが、21位のノルウェー、23位のイスラエルのクラブも進出しており、バラエティに富んでいます。


<CL本戦、決勝ラウンド進出クラブの順位>

IMG_2805

CL本戦出場32クラブのうち、半分の16クラブがUEFAクラブランキング25位以内です。このうち12クラブが決勝ラウンドに進出しています。

つまり、安定的に結果を残しているクラブが、今年も残っているといえます。

102位のミッティラン(デンマーク)107位のレンヌ(フランス)135位のフェレンツヴァーロシュ(ハンガリー)は、いずれもグループステージ敗退となりました。決勝ラウンドに進出した中で開幕時のランキングが最も低いのは、61位のボルシアMG(ドイツ)です。


<EL本戦、決勝ラウンド進出クラブの順位>

IMG_2806

EL出場クラブは、UEFAクラブランキング51100位がボリュームゾーンです。グラナダ(スペイン)、スィヴァススポル(トルコ)、オモニア(キプロス)CSKAソフィア(ブルガリア)4クラブは200位以内に入っていませんでした。


※CL・ELのベスト8進出クラブについてはこちらの記事をご覧ください!



2020-2021シーズン開幕時点のUEFAカントリーランキング、UEFAクラブランキングをチェックして、国(協会)ごとに各クラブの直近5シーズンの状況を掘り下げてみました。

記事数が多いため、アーカイブ記事をつくりました。


カントリーランキング全体

クラブランキング全体
1位・スペイン2位・イングランド3位・ドイツ
4位・イタリア
5位・フランス
6位・ポルトガル
7位・ロシア
8位・ベルギー
9位・ウクライナ
10位・オランダ
11位・トルコ
12位・オーストリア

13位・デンマーク

14位・スコットランド
15位・チェコ
16位・キプロス
17位・スイス18位・ギリシャ
19位・セルビア
20位・クロアチア
21位・スウェーデン
22位・ノルウェー
23位・イスラエル

24位・カザフスタン

25位・ベラルーシ
26位・アゼルバイジャン
27位・ブルガリア
28位・ルーマニア
29位・ポーランド
30位・スロバキア

31位・リヒテンシュタイン

32位・スロベニア

33位・ハンガリー
34位・リトアニア

35位・ルクセンブルク

36位〜55位

過去の記事で、2020-2021シーズン開幕時点の最新のUEFAカントリーランキング、クラブランキングをチェックしましたが、協会()・クラブごとに直近5シーズンの状況をもう少し掘り下げてみます。

今回は、UEFAカントリーランキング36位以下の国(協会)を一気に見てみようと思います。


本記事では、UEFAの公式ホームページのデータを使用しています。2019-2020シーズンのチャンピオンズリーグ決勝が終わった、8/26更新のデータです。

https://www.uefa.com

UEFAカントリーランキング、クラブランキングの概要は下記の記事をご覧ください。




まず、カントリーランキング36位以降の国(協会)は、下記の通りです。

カッコ内はUEFAクラブランキング200位以内のクラブ数です。

36位 アルメニア(2クラブ)

37位 ラトビア

38位 アルバニア(2クラブ)

39位 北マケドニア(1クラブ)

40位 ボスニア・ヘルツェゴビナ(1クラブ)

41位 モルドバ(1クラブ)

42位 アイルランド(1クラブ)

43位 フィンランド(1クラブ)

44位 グルジア

45位 マルタ

46位 アイスランド

47位 ウェールズ(1クラブ)

48位 北アイルランド

49位 ジブラルタル

50位 モンテネグロ

51位 エストニア

52位 コソボ

53位 フェロー諸島

54位 アンドラ

55位 サンマリノ


この国(協会)の中で、クラブランキング200位以内に入っているクラブは、10クラブです。

IMG_2464


アルメニアからは2クラブがランクインしています。

179位 アラシュケルト(アルメニア)

2011年に創設された首都エレバンのクラブです。

2015-16から2017-18シーズンまで国内リーグ3連覇。直近5シーズンで見ると、2018-19シーズンにEL予選3回戦まで進出しました。


195位 FCピュニク・エレバン(アルメニア)

首都エレバンのクラブで、国内リーグでは200110シーズンに10連覇しましたが、その後の優勝は2014-15シーズンのみです。直近5シーズンのUEFA主催大会では、2018-192019-20シーズンにEL予選3回戦進出が最高成績です。


またアルメニアには、アララト=アルメニアという2017年に創設されたばかりのクラブがあります。2018年にロシアのアララト・モスクワがモスクワでの活動を停止し、アルメニアに移されてから、2018-192019-20シーズンに国内リーグを早くも連覇し、2019-20シーズンにはEL予選プレーオフに進出しています。


アルバニアからも2クラブがランクインしています。

182位 KFスカンデルベウ・コルチャ(アルバニア)

国内リーグでは2010-112015-16シーズンに6連覇し、直近5シーズンでは2015-162017-18シーズンにEL本戦に進出しています。


198位 FKクケシ(アルバニア)

2016-17シーズンに国内リーグ優勝し、2015-162018-19シーズンにはEL予選3回戦に進出し、200位以内に滑り込みました。


北マケドニアからは、150位にKFシュケンディヤがランクインしました。2010年代に入り国内トップクラスの強豪になったクラブです。直近5シーズンでELプレーオフに3回進出し、初の本戦まであと一歩の状況が続いています。


ボスニア・ヘルツェゴビナからは178位に観光地モスタルにあるズリニスキがランクインしました。国内リーグは2015-16から2017-18シーズンにかけて3連覇しています。直近5シーズンはEL予選3回戦が最高です。

ボスニア・ヘルツェゴビナでは、他にもFKサラエヴォや、旧ユーゴ時代の1971-72シーズンに国内リーグ優勝経験があり、イビチャ・オシムが監督を務めていた1984-85シーズンにUEFAカップ準決勝にまで進出したことがあるFKジェリェズニチャル・サラエヴォなどがいます


モルドバからは112位にFCシェリフ・ティラスポリがランクイン。1997年に創設され、2000年以降、国内リーグで優勝できなかったのが2シーズンのみで、国内ではほぼ無敵です。2017-18シーズンにはEL本戦に進出。グループステージで敗退したものの231敗の3位という成績を残しました。


アイルランドからは、139位にダンドークFCがランクインしました。国内リーグでは2014シーズンからの7シーズンで5回優勝しており、2016-17シーズンにはEL本戦に出場しました。


フィンランドからは、164位にHJKヘルシンキがランクインしました。国内リーグでは2010201910シーズンで7回優勝しています。直近5シーズンのELでは、2015-16シーズンの予選プレーオフが最高成績です。


ウェールズからは、163位にザ・ニュー・セインツFCがランクインしました。1997年から2006年はトータル・ネットワーク・ソリューションズFCという名称でした。国内では2011-12から2018-19シーズンまでリーグ8連覇を達成し、ELでは2018-192019-20シーズンに予選3回戦まで進出しました。

↑このページのトップヘ