タグ:プリメイラリーガ

ポルトガルに関するサッカーの話題といえば、パッと思い浮かぶのはクリロナかと思いますが、

ポルトガルのサッカーリーグと言われると、あまりピンと来ない方も多いのではないでしょうか。

2010年〜2019年のUEFAカントリーランキング推移2019-2020シーズンのUEFAカントリーランキング、クラブランキングの記事で、ヨーロッパにおける各国リーグの序列を見てみましたが、

今回は、その中でもポルトガルリーグにフォーカスして、UEFAカントリーランキングを見てみようと思います。


まずは、20102019年の UEFAカントリーランキングにおける、ポルトガルの順位を見てみましょう。

IMG_9498


スペイン、イングランド、ドイツ、イタリアのトップ4の牙城を崩すのは難しそうですが、57位をキープしており、フランスやロシアとともに「4大リーグに次ぐリーグ」と言えます。

それなりにはレベルが高く、注目度も高いため、日本人選手がヨーロッパで活躍するためのファーストステップとしては良いリーグだと思います。


続いて、2019-2020年のUEFAクラブランキングを見てみます。 

IMG_0247


18位にポルト、20位にベンフィカと、ポルトガルのクラブがトップ202クラブがランクインしています。また30位にはスポルティングCP33位にブラガがランクインしており、この4クラブは国内の強豪です。

ポルトガル中堅クラブからステップアップする場合の移籍先として、4大リーグのクラブという選択肢もありますが、これら国内の強豪クラブに移籍するのも魅力的な選択肢だと言えます。


※過去のポルトガル関連記事をまとめたアーカイブページも、よろしければご覧ください。


前回までの記事で、ポルトガルリーグに所属するのクラブのうち、ベンフィカ、ポルト、スポルティングの3大クラブと、この3クラブに続く実績のあるベレネンセス、ボアビスタ、ブラガ、ギマランイスの順位推移を見てきました。


今回は、今まで見たクラブのほかに、日本人がニュースで目にする機会が多い2クラブについても調べてみようと思います。


・ポルティモネンセ 、マリティモのリーグ順位推移

IMG_9499

※ポルティモネンセ:黒、マリティモ:緑


ポルティモネンセは、かつて中島翔哉選手が活躍し、2019年からGK権田修一選手、SB安西幸輝選手、FW菅嶋弘希選手が在籍しています。

リーグ順位推移を見ると、1部リーグ初参戦は

1976-1977シーズンです。1979-1980シーズンからしばらく1部にとどまりますが、1989-1990シーズンに降格後は20年近く再昇格はできず、久々の1部参戦となった2010-2011シーズンも1期で降格してしまいます。

2017-2018シーズンに再昇格したシーズンでは中島翔哉選手の29試合10得点の活躍により10位で終え、2019-2020シーズンも1部で迎えることができています。


マリティモは、2019-2020シーズンからFW前田大然選手が在籍しています。過去には東京ヴェルディや浦和レッズなどで活躍した相馬崇人選手も在籍していました。

マデイラ島のフンシャルという都市のクラブです。(在籍はしていませんが、クリスティアーノ・ロナウド選手が生まれた街として有名です)

1部リーグには1977-1978シーズンに初参戦後、3シーズンを除いては1部に留まり続けており、リーグ歴代勝利数も10位にランクインしています。最高位は5位ですが、安定した成績を残しているクラブです。


2クラブとも同じような時期に1部リーグに初参戦していますが、その後は対照的な歩みを進めてきています。このあたりのクラブの歴史も頭に入れつつ、日本人選手たちの活躍を見守りましょう。


※過去のポルトガル関連記事をまとめたアーカイブページも、よろしければご覧ください。



ポルトガルリーグにおいて、ベンフィカ、ポルト、スポルティングの3大クラブの実績が突出していることがわかりました。

今回は、この3クラブに続くクラブの歩みを見てみました。


国内リーグの優勝経験があるベレネンセス(歴代勝利数4位)とボアビスタ(歴代勝利数8位)、歴代勝利数が5位ギマランイス、6位のブラガ、そして中島翔哉選手が活躍して話題になったポルティモネンセについて見てみます。


・ベレネンセス(水色)、ボアビスタ(黒)

IMG_9431


ベレネンセスは古豪。1945-1946シーズンに優勝し、1950年代頃までは4位以内をキープします。徐々に下降して2部降格も何回か経験しましたが、現在も1部の中堅クラブとして踏ん張っています。


ボアビスタは1970年代から1部に定着し、1990年代には3大クラブに割って入る活躍をするようになり、2000-2001シーズンには優勝します。2000年代に入ると八百長発覚による2部降格もありましたが、2014-2015シーズンに1部に復帰しています。


・ブラガ(赤)、ギマランイス(緑)

IMG_9432


ブラガは1970年代後半から1部に定着し、2000年代に入ってからは安定的に上位に食い込んでいます。国内で4番目のクラブと言えるでしょう。2009-2010シーズンは2位になっています。


ギマランイスは1部での順位に波はありますが

2部降格が少ないクラブです。1位、2位になったことはないものの、3位は4回あります。


・ポルティモネンセ

IMG_9433


1970年代から1980年代に1部に長らく在籍しましたが、その後は2010-2011シーズンまで1部に上がることなく、そのシーズンも降格してしまいます。そして久々の1部参戦となった2017-2018シーズン、中島翔哉選手の29試合10得点の活躍により10位で終え、2019-2020シーズンも1部で迎えることができています。


結果的に、3強とその次に位置するクラブでは、実績に大きな差があることが改めてわかりました。一方、ブラガが第2集団で頭一つ抜けつつあり、今後の活躍が楽しみです。


※過去のポルトガル関連記事をまとめたアーカイブページも、よろしければご覧ください。



ポルトガルリーグの2019-2020シーズンのガイドブックには、クラブ紹介ページに「予算」という項目があります。

この「予算」というのが、具体的には選手人件費なのかチーム人件費なのか、もしくは事業規模(営業収益)などを指すのかはわからなかったのですが、

ポルトガル1部リーグのクラブ間格差を目安として把握できるため、まとめてみました。


<ポルトガルリーグのクラブ別予算規模>

IMG_9434



<グラフからわかること>

・ベンフィカ、ポルト、スポルティングの3クラブが突出している。最少規模のクラブとは30倍。

・3クラブ以外のクラブは、ブラガが少し規模が大きい以外は非常に拮抗している。


日本円に換算すると、

最大規模のベンフィカ、ポルトが約107億円、

最初規模の300万ユーロのクラブが約3.5億円、

ということになります。


ちなみに、Jリーグの各クラブは「チーム人件費」を公表しています。2018年のJ1クラブ平均が22.75億円で、最多はヴィッセル神戸の44.77億円、最少はVファーレン長崎の8.14億円でした。J2クラブ平均が6.81億円、最多は大宮アルディージャの19.15億円、最少はFC町田ゼルビアが2.78億円でした。

もし、上記のポルトガルリーグの予算規模の数字が、同じく「チーム人件費」だと仮定すると、ポルトガル1部リーグの3大クラブとその他クラブの中間に、J1クラブの大半のクラブがごっそり位置付けられるような感じになり、ポルトガル1部リーグの小クラブはJ2の低予算クラブ程度のチーム人件費ということになります。


最近では、Jリーグからポルトガルリーグのクラブへの移籍が増えていますが、クラブの予算規模の観点からすれば3大クラブ以外への移籍は必ずしも「ビッグクラブへのステップアップ」というわけではないことになります。

向上心の高いトップレベルの日本人選手にとっては、ヨーロッパの舞台でプレーすることにより、ビッグクラブのスカウトの目にとまりやすくなったり、日本以外の選手とプレーする経験値が増えるなどの価値が魅力なので、Jリーグとしては、このあたりの価値をどう訴求できるかという点も重要になってきているのでしょう。


※過去のポルトガル関連記事をまとめたアーカイブページも、よろしければご覧ください。



出典:SPODIGI 2018年度】Jリーグ全クラブの決算・経営情報をグラフ化。営業利益やスポンサー収入が多いのはどのクラブ?

https://spodigi.com/sports-business/j-league-club-managment-information/


今回の記事では、ポルトガルリーグの3大クラブと呼ばれるベンフィカ、FCポルト、スポルティングCPが、リーグでどれだけ圧倒的な強さを誇るのかを見てみたいと思います。



順位推移portugal_top3rank
※赤:ベンフィカ、青:ポルト、緑:スポルティング

まずは、ポルトガルリーグがスタートした1934-1935シーズンから2018-2019シーズンまでの間の3クラブの順位の推移を表にしてみました。

3クラブとも2部に降格したことがないだけでなく、なんと2ケタ順位すら一度もありません。最低順位はベンフィカは6位(2000-2001)、スポルティングCP7位(2012-2013)、FCポルトは9位(1969-1970)です。

そして、ほとんどのシーズンで3クラブが13位を独占しています。

なんと、3クラブ以外がリーグ優勝したのは、1945-1946シーズンのベレネンセスと2000-2001シーズンのボアビスタの2回しかありません!!

全世界のリーグでも、ここまで優勝クラブが寡占的な国はないのではないでしょうか。

ちなみに、ベレネンセスはリスボン、ボアビスタはポルトが本拠地のクラブなので、リスボンとポルト以外のクラブがリーグ優勝したことは一度もないことになります。


3クラブの黄金期も見てみたいと思います。

まず、スポルティングCP1946-1953の期間が最盛期と言えそうです。

ベンフィカは3クラブの中でも最も安定的に強いですが、とりわけ1959-1976は圧倒的。黒豹または黒い真珠と呼ばれたポルトガル代表ストライカーのエウゼビオ(Eusébio da Silva Ferreira)が在籍した1960年~1975年と、ベンフィカの黄金期はほぼ重なります。在籍中にポルトガルリーグ得点王に7回も輝くという、まさに驚異的な活躍でした。

ポルトは1984-2012、中でも1990年代後半から2010年代序盤に優勝が多いため、3クラブの中では「徐々に力をつけてきたクラブ」と言えそうです。


優勝回数推移
portugal_top3title

続いて、1位獲得数推移をグラフにしてみました。

こちらを見ても、ベンフィカが安定的に強いこと、ポルトが1980年代からじわじわと優勝回数を伸ばしていることがわかります。


※過去のポルトガル関連記事をまとめたアーカイブページも、よろしければご覧ください。


続きを読む

↑このページのトップヘ