タグ:ベンフィカ

過去の記事で、2020-2021シーズン開幕時点の最新のUEFAカントリーランキング、クラブランキングをチェックしましたが、協会()・クラブごとに直近5シーズンの状況をもう少し掘り下げて見てみたいと思います。

今回は、ポルトガル編です。


本記事では、UEFAの公式ホームページのデータを使用しています。2019-2020シーズンのチャンピオンズリーグ決勝が終わった、8/26更新のデータです。

https://www.uefa.com

UEFAカントリーランキング、クラブランキングの概要は下記の記事をご覧ください。


<2020-2021シーズン開幕時のUEFAカントリーランキング>

image


<UEFAカントリーランキングの年別ポイント>

image

2020-2021シーズン開幕時のカントリーランキングは6位。5大リーグとも8位以下とも少し差がある中で、ロシアと熱いデッドヒートを繰り広げています。

直近の5シーズンのうち、ポルトは3回、ベンフィカは2回、CLのグループステージを突破しています。スポルティングCP4回、ブラガは3回、ELでグループステージ突破しています。

世界中の話題をかっさらうような派手な活躍は少ないものの、安定した成績を収めていることが、5大リーグに次ぐポジションを保てている理由です。


<2020-2021シーズン開幕時のUEFAクラブランキング>

image


<UEFAクラブランキングの年別ポイント・順位>

image

ポルト、ベンフィカ、スポルティング、ブラガの4クラブは、CLEL出場権を獲得し、かつ一定の成績を残しているため、40位以内にランクインしています。

一方で、ヴィトーリアSC(ギマランイス)、リオ・アヴェ、マリティモ、アロウカ、ベレネンセスの5クラブは、協会()のポイントにより126130位にランクインしています。


国内で圧倒的に強く、国際大会でも安定的に一定の結果を残せるトップ4と、その他クラブの差が、くっきりと分かれているリークだということが、ランキングにも顕著にあらわれていました。


※過去のポルトガル関連記事をまとめたアーカイブページも、よろしければご覧ください。



新型コロナウイルスの影響により中断していた、2019-2020シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)が再開しました。

未消化のラウンド16セカンドレグは87日・88(現地時間)に行われ、

準々決勝から決勝は、812日から23日の間に短期集中開催となります。ホーム・アンド・アウェーではなく1試合で勝敗を決します。


その準々決勝以降の開催地として選ばれたのがポルトガルのリスボン。ヨーロッパの中でもコロナ感染者が少ないこともあり、選ばれたそうです。


使用されるスタジアムは、リスボンにあるエスタディオ・ダ・ルスとエスタディオ・ジョゼ・アルヴァラーデ。前者はベンフィカの、後者はスポルティングの本拠地なのですが、昨夏に両スタジアムを訪れた身としてはなんとなく嬉しいです。


両スタジアムとも市街からアクセスが良くて、スタジアム間も近いので行き来しやすいです。そしてスタジアムはキレイで、試合も見やすく、雰囲気もいい。

もちろんポルトガルに行けるわけもなく、テレビ観戦ですが、試合だけじゃなくてスタジアムも気にしながら観ようと思います。


<チャンピオンズリーグ日程>

準々決勝 812日〜815

準決勝 818日・819

決勝 823


※関連記事

ポルトガルのサッカークラブマップ・関連記事リスト

ベンフィカのリーグ開幕戦をスタジアム観戦!

スポルティングCPのスタジアムツアーに参加しました!

リスボンの観光スポットに行ってみた

タッサ・デ・ポルトガル(Taça de Portugal)は、ポルトガルのサッカーのカップ戦です。準決勝のみホーム&アウェー方式で、他は一発勝負のノックアウト方式で行われます。1部から4部のクラブが参加し、優勝すると翌年のヨーロッパリーグ出場権を獲得できます。


リーグ戦の実績では、ベンフィカ、ポルト、スポルティングの3強が抜きん出ていますが、カップ戦ではどうなのか調べてみました。


<タッサ・デ・ポルトガルのクラブ別優勝回数>

IMG_0107

(タッサ・デ・ポルトガルとしてスタートした1938-1939シーズン以降)


3クラブはカップ戦の実績でも他クラブを大きく引き離しています。ですがノックアウト方式ということもあり、他クラブもそれなりに優勝しています。

3クラブの優勝回数は、リーグ戦と同じくベンフィカがトップ。ベンフィカが初期から優勝回数を重ね、ポルトが1990年代後半から2000年代にかけて優勝回数を伸ばす構図も、リーグ戦と同じです。


<ベンフィカ、ポルト、スポルティングの優勝回数推移>

ポルトガルカップ戦

番狂わせが起こりやすいノックアウト方式のカップ戦も、長期的に見れば強いクラブが優勝回数を伸ばすということですね。


最後に、シーズンごとの優勝クラブ一覧を紹介して締めくくろうと思います。お読みいただきありがとうございました!


<優勝クラブ一覧>

シーズン開始年優勝クラブ
1938Academica
1939Benfica
1940Sporting
1941Belenenses
1942Benfica
1943Benfica
1944Sporting
1945Sporting
1946開催せず
1947Sporting
1948Benfica
1949開催せず
1950Benfica
1951Benfica
1952Benfica
1953Sporting
1954Benfica
1955Porto
1956Benfica
1957Porto
1958Benfica
1959Belenenses
1960Leixoes
1961Benfica
1962Sporting
1963Benfica
1964Setubal
1965braga
1966Setubal
1967Porto
1968Benfica
1969Benfica
1970Sporting
1971Benfica
1972Sporting
1973Sporting
1974boavista
1975boavista
1976Porto
1977Sporting
1978boavista
1979Benfica
1980Benfica
1981Sporting
1982Benfica
1983Porto
1984Benfica
1985Benfica
1986Benfica
1987Porto
1988Belenenses
1989Amadora
1990Porto
1991boavista
1992Benfica
1993Porto
1994Sporting
1995Benfica
1996boavista
1997Porto
1998Beira-Mar
1999Porto
2000Porto
2001Sporting
2002Porto
2003Benfica
2004Setubal
2005Porto
2006Sporting
2007Sporting
2008Porto
2009Porto
2010Porto
2011Academica
2012GUImaraes
2013Benfica
2014Sporting
2015braga
2016Benfica
2017Aves
2018Sporting


今回の記事では、ポルトガルリーグの3大クラブと呼ばれるベンフィカ、FCポルト、スポルティングCPが、リーグでどれだけ圧倒的な強さを誇るのかを見てみたいと思います。



順位推移portugal_top3rank
※赤:ベンフィカ、青:ポルト、緑:スポルティング

まずは、ポルトガルリーグがスタートした1934-1935シーズンから2018-2019シーズンまでの間の3クラブの順位の推移を表にしてみました。

3クラブとも2部に降格したことがないだけでなく、なんと2ケタ順位すら一度もありません。最低順位はベンフィカは6位(2000-2001)、スポルティングCP7位(2012-2013)、FCポルトは9位(1969-1970)です。

そして、ほとんどのシーズンで3クラブが13位を独占しています。

なんと、3クラブ以外がリーグ優勝したのは、1945-1946シーズンのベレネンセスと2000-2001シーズンのボアビスタの2回しかありません!!

全世界のリーグでも、ここまで優勝クラブが寡占的な国はないのではないでしょうか。

ちなみに、ベレネンセスはリスボン、ボアビスタはポルトが本拠地のクラブなので、リスボンとポルト以外のクラブがリーグ優勝したことは一度もないことになります。


3クラブの黄金期も見てみたいと思います。

まず、スポルティングCP1946-1953の期間が最盛期と言えそうです。

ベンフィカは3クラブの中でも最も安定的に強いですが、とりわけ1959-1976は圧倒的。黒豹または黒い真珠と呼ばれたポルトガル代表ストライカーのエウゼビオ(Eusébio da Silva Ferreira)が在籍した1960年~1975年と、ベンフィカの黄金期はほぼ重なります。在籍中にポルトガルリーグ得点王に7回も輝くという、まさに驚異的な活躍でした。

ポルトは1984-2012、中でも1990年代後半から2010年代序盤に優勝が多いため、3クラブの中では「徐々に力をつけてきたクラブ」と言えそうです。


優勝回数推移
portugal_top3title

続いて、1位獲得数推移をグラフにしてみました。

こちらを見ても、ベンフィカが安定的に強いこと、ポルトが1980年代からじわじわと優勝回数を伸ばしていることがわかります。


※過去のポルトガル関連記事をまとめたアーカイブページも、よろしければご覧ください。


続きを読む

今回は、ベンフィカのホームゲームを観戦したときの体験をお話ししたいと思います。


まずはベンフィカについて簡単に紹介します。

<概要>

ベンフィカ(Benfica)

設立:1904228

ホームタウン:リスボン

ホームスタジアム:エスタディオ・ダ・ルス

65000人収容、20031025日開場

チームカラー:


ポルトガルの3大クラブの1つですが、日本人にとってそれほど馴染みのあるクラブではないかと思います。

それなりにサッカーを見てきた私自身も、

・ユニフォームが赤い

・チャンピオンズリーグにもちょくちょく出るけど、決勝トーナメントに進出できたらかなり良い方

・一方でヨーロッパリーグは案外勝ち上がる

・昔、エウゼビオというストライカーがいた

という程度のイメージしかありませんでした。

3大クラブの中でも、モウリーニョ監督率いるチームがチャンピオンズリーグで優勝したり、中島翔哉選手が加入したFCポルト、田中順也選手が所属したスポルティングCPと比べると、印象が薄い気もします。


ところが、ポルトガルリーグの中では3大クラブの中でも最も実績あるビッグクラブで、リスボン旅行中に会った現地の人たちも圧倒的にベンフィカ派でした。同じリスボンにあるスポルティングCPよりも人気ありそうです。


そんなベンフィカの2019-2020シーズン開幕戦を観戦しに行きました。相手はパソス・デ・フェレイラ(Paços de Ferreira)。2部から昇格してきたクラブです。


<まずはスタジアムのあるメトロ「コレジオ・ミリタール/ルス駅」へ>

リスボン市街はメトロが充実しているので、メトロの青線に乗ってエスタディオ・ダ・ルスのあるコレジオ・ミリタール/ルス駅(Colégio Militar/Luz)へ。市街の中心部のバイシャ・シアード駅(Baixa-Chiado)から移動する場合、10分ぐらいで着きます。

メトロホームページ

https://www.metrolisboa.pt


<コレジオミリタール駅に着いたら、ぶらりスタジアムへ>

コレジオ・ミリタール/ルス駅から徒歩10分程度でスタジアムのゲートに着きます。駅を降りて地上に上がればすぐにスタジアムが見えるので、迷う心配もそれほどないと思います。試合当日は赤いユニフォームを着た人でごった返しているので、なおのこと心配ないと思います。

駅からスタジアムに向かう途中には大きなショッピングモール(地元の人曰くリスボン最大らしい)があるので、そこで腹ごしらえなどしても良いかもしれません。

ショッピングセンターからスタジアムのゲートに向かう途中には、ベンフィカのユニフォームやタオルなどのグッズを販売している露店がいくつか並んでました。オフィシャルショップはリスボン市街のアウグスタ通りにも、コレジオ・ミリタール/ルス駅を降りてすぐのショッピングセンターにも、スタジアムのゲート前にもありますが、オフィシャルショップと露店のユニフォームの金額はモノにもよりますが23倍ぐらいあります。

ちなみにユニフォームは最新モデルじゃないのと、店員さんとの英語の会話や試着は期待できないと思っておいてください。

スタジアムは赤一色なので、強いこだわりはないけど一体感を味わいたい人は露店でユニフォームを買うのもアリだと思います。


IMG_8645


(私は露店で30ユーロでユニフォームを買いました)


<スタジアムのゲート前へ>

この日の試合開始は21:30だったのですが、ワクワクが抑えきれかった私は19時前に到着。早すぎたかな、なんて思っていましたがそんなこともなく、スタジアムの外にはたくさんのベンフィカサポーターが飲食の出店でお酒やおつまみを買ったり、DJがセレクトしたベンフィカ関連の音楽を聴いたり歌ったりしながら、盛り上がっていました。(開幕戦だったので余計に盛り上がっていたのでしょうか)

IMG_8549



<スタジアムに入り、試合観戦!>

20時前にはスタジアムの中にも入れましたが、しばらくはスタジアムの外と比べると派手なイベントはなく、音楽が流れ、チアガール達が何をするわけでもなくその音楽に身を委ねている感じでした。チアガールはサポーターとの写真撮影も応じていて、ノリが良さそうでした。

しばらくするとキーパー、次いでフィールドプレーヤーが現れてウォーミングアップをします。

選手紹介は想像以上に淡々としていて、電光掲示板も小さく、紹介ムービーなどもなかったので、Jリーグと比べると少し寂しい感じでした。

ポルトガル民族歌謡「ファド」っぽいテイストのクラブの歌を合唱し、チアガールのパフォーマンス、マスコットの鷲(本物)がスタジアム内を飛び回るパフォーマンス、火花の演出でテンションが上がり、いよいよキックオフです。


私が観戦したのはゴール裏の約10列目。全体観はつかみにくいものの臨場感があります。

周りというより見渡す限り全方位が赤い服を着たベンフィカサポーター。結局最後までパソス・デ・フェレイラのサポーターを見つけることはできませんでした。もしいたとしてもあの雰囲気でアウェイの応援をするには強靭なメンタルが必要なのは間違いないです。

サポーターはチャントで応援をするゾーンは一部で、基本的には試合に熱中して想い想いに感情を露わにします。ゴールシーンの熱狂ぶりはすごいし、イージーミスへの苛立ちもオーバーで、とにかくアツいです。

1人で観戦する分には怖さは感じませんでしたが、席でタバコを吸う人が結構いるのと、試合展開次第では熱狂的なサポーターが荒れる可能性があることを考えると、Jリーグよりは家族を連れて行きづらいような気がします。


試合は5-0でベンフィカの圧勝。前半26分に先制し、前半は2-0。後半早々に相手に退場者が出てからは一方的な展開でした。4-0

5-0になってからはサポーターがスマホのライトを照らす演出があったり、試合後には選手が観客席にポールを蹴り込むイベントもありました。

試合自体は、Jリーグより技術的に上手いという印象は特になかったものの、球際の激しさやプレッシャーの迫力はポルトガル(この試合)の方があるように感じました。

23:30に試合が終わり、スタジアムで熱狂した約63000人が一斉に帰宅します。当然、スタジアムのゲート周辺は激混みなのですが、途中に出店があったからなのか、案外メトロは人でごった返すこともなく、スムーズに帰れました。


60000人の多くが赤いユニフォームを着て、同じ試合を観て熱狂する。その場に居合わせるだけでも十分楽しめるはずなので、リスボンに旅行に行く際はついでのベンフィカ観戦をおススメします!

IMG_8605



↑このページのトップヘ