今回は、J2リーグ第42節、水戸ホーリーホック-ファジアーノ岡山を観戦するためにケーズデンキスタジアム水戸へ行ったときのことを書こうと思います。


2位の横浜FC3位の大宮アルディージャの自動昇格枠争いと、4位のモンテディオ山形、5位の徳島ヴォルティス、6位のヴァンフォーレ甲府、7位の京都サンガF.C.8位の水戸ホーリーホックの5チームによるJ1昇格プレーオフ出場を争う展開。

レギュラーシーズン最終戦は注目カードが多く、しかも首都圏在住者にとっては観戦しに行くにも複数の選択肢がありました。


そんな中でなぜ水戸なのか。それは、地方の小クラブの晴れ舞台に立ち会いたいという想いによるものでした。

1997年から1998年の2年間、水戸市に住んでいました。この頃は旧JFLに参戦したばかりで、茨城県内にはすでに鹿島アントラーズが絶大な人気を誇っており、まだあまり認知されていませんでした。

それから10年後の2008年、笠松運動公園陸上競技場でJ23節のヴァンフォーレ甲府戦を観戦しました。この試合では荒田智之選手がプロ初ゴールを決め、J1経験クラブに勝利したのですが、観客はまばらで、スタジアムは屋根もほとんどなくグルメもあまり充実していない寂しい状態でした。

さらにそこから11年が経った2019年。J1昇格するほどの躍進もJ3に降格するほどの低迷もないシーズンを重ねながら少しずつ地力をつけたチームは、最終盤でJ1昇格プレーオフ進出の可能性を残す"快挙"を果たしました。

良いときの水戸ホーリーホックを眼に焼き付けたい、そして水戸という街にどれぐらい根付いているのかを確かめたいという想いから、ケーズデンキスタジアム水戸に駆け付けました。


まず、常磐線で水戸駅へ。ガラガラなので優雅にぶらり旅気分。水戸駅は「エクセル」という駅直結ビルの中にあるレストランでランチ。小雨の降っているからか、ここまでは特に賑わいは感じません。

ランチ後、水戸駅からバスでスタジアムへ。「水戸ホーリーホック1DAYパス乗車券」を使えば往復乗車賃がおトクになります。ちょっとした進化を感じつつ、30分以上バスで移動し、ようやくスタジアムに到着。

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スタジアムにはグルメの屋台などの出店がたくさんあり、選手ののぼりがあり、ユニフォームを着たサポーターもたくさん。明らかに2008年とは違う雰囲気です。

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ゲート入場後にはクリアファイルを配っているお兄さんがいたのですが、ボランティアの方かと思いきや選手!グッズショップでお会計をしているのも選手!選手との距離感の近さを感じずにはいられません。

試合前の選手紹介動画もカッコいい。メインスタンド、バックスタンドともに水戸サポーターで埋まり、バックスタンド側の水戸サポーターが「GO!!NEXT STAGE」のコレオグラフィーをつくり、入場前にはほとんどのサポーターが立ち上がって、手をたたきながら選手を出迎えるのは一体感がありました。J1昇格プレーオフ進出を懸けた大事な一戦だからというのはあると思いますが、とても良い雰囲気でした。

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試合は水戸が前半から主導権を握る時間が長く、前半終了間際にFKから滝澤が先制します。

ゴールを決めた瀧澤選手が印籠を見せ、それに他選手数人がひれ伏す「水戸黄門パフォーマンス」もユニークでした。

後半も危なげなく逃げ切り、1-0で勝利。追加点を奪えず、結果的に総得点の差でプレーオフ圏内に入れず7位でフィニッシュとなったのは残念でしたが、後半ロスタイムはサポーターの熱気がすごかったです。


1998年から21年、2008年から11年が経ち、Jリーグ全体が発展していく中、水戸ホーリーホックもその流れに取り残されずに、ゆっくりながらも着実に存在感を高めていることが伝わりました。

長谷部監督は退任し、活躍した選手やレンタル加入の選手も他クラブに移籍すると思いますが、水戸ホーリーホックは今後も進化を続けると信じています。